「経営企画部が経営企画部の体を為していないよね?」
静まり返ったオフィスに代表の声が響いたの は2009年の暮れ、全社員が集まったあるミーティングでの出来事でした。当時主力の商品だったレコードやCDのマーケット縮小により当社も財務的に非常 に苦しい状況にあり、ミーティングの重苦しい雰囲気は、財務のことも経営のこともよく分かっていなかったインターン生の自分にも事の深刻さを改めて強く認識させました。
自分がdmr! に入社を希望したのはそんな状況の折です。周りからは不思議がられましたが、実はその苦境を脱する為の微かな光が見え始めていた時でもあり、「この続きを見ずに他の道へは進めない」という確たる意思に衝き動かされていました。
そこから当社はまず主力商材の入れ替えや拠 点統合を決めると、それに合わせて新規取引先の開拓や社内外の物流体制の再編成、オンラインショップや店舗のサービス強化などを行ってきました。各スタッフが持ち得る知識と経験に加え、必要とあればビジネス書や専門書籍を読み漁り補完しながら急ピッチで新しい dmr! を再構築しました。
自社のコアコンピタンスは何かを理解し、それをより多くの人に付加価値として提供できる形に転化する。そんな経営学の教科書を地で行く様なプロセスを現場で見ることができ、またそこに深く関わることができたことは既に自分の人生の大きな財産で、あの時の選択が正しかったと感じさせてくれます。
その“選択”から凡そ3年、自分はその会社 で役員を務めることになりました。大きな変革を経た dmr! は成長意欲に満ちたプレーヤーの集団となり、皆が日々新たなチャレンジへのインプット (学習) ~ アウトプット (仕事での成果)を繰り返しています。仕事の価値は人それぞれですが、この部分は立場や役割が変わっても、順境でも逆境でも、受動的には得られない圧倒的な充実感を与えてくれるベストパートだと思います。
この続きを見ずに他の道へは進めない…当時の想いは遂げられたのかと聞かれれば、それはそうなのかもしれません。しかし気づけばその先には更に大きな世界が広がっていて、続きが見たい事はかえって増えてしまいました。よってまだまだこの好循環を離れるわけにはいきません。